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ブラッシングのエビデンスについて
2023.2.15
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こんにちは
赤羽の歯医者「医療法人社団歯友会赤羽歯科 赤羽診療所」の歯科医師の前野です。
今回は歯磨きの方法や種類が沢山あるうち、どういったものが効果的なのかについてお話ししようと思います。
どのような歯ブラシを選べばよいのか?
結論から言うと、歯ブラシのデザインの違いによる汚れの除去率の差はほとんどありません。
新しいデザインの歯ブラシは沢山売られていますが、新しいデザインの歯ブラシが従来の歯ブラシよりも優れているという明確な根拠はありません。
どのデザインの歯ブラシを用いても、どんなブラッシング法で磨いたとしても汚れを完全に除去する事は難しく、統計では六割程度しか除去する事は出来ず、四割程度の汚れは歯と歯の間などに残ってしまうのです。
その為、普段のお家でのお口の中のお手入れは、歯ブラシだけでは足りないのです。
歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやフロスなどを用いる必要があります。
歯ブラシ以外の補助清掃機具は何を使えばよいのか?
歯ブラシ以外には歯間ブラシやトゥースピック、フロス、タフトブラシなどがあります。
どれを使えば良いかは患者さんの口の中の環境によって変わる為、歯科医院に来て頂いて口の中を拝見した上で、一緒に相談しながら決めていくのがベストだと思います。
電動ブラシと手用ブラシはどちらが優れているのか?
さまざまな電動ブラシが薬局などに販売されておりますが、電動歯ブラシの方が手用歯ブラシよりも優れているというエビデンスはありません。
これはさまざまな研究データのうちのエビデンスを考える上で必要な要件を満たした研究データを総合的に分析したシステマティックレビューによる結果です。
しかし、だからと言って電動歯ブラシを使う意味がないと言うわけではありません。
障害のある方、介護を要する方、歯ブラシが上手に使えない小児の患者さん、矯正器具やインプラント治療を受けている方、手用ブラシでは強く力を入れすぎて歯が削れたり歯肉退縮を起こしてしまっている方には大変有効な道具となります。
歯周病とは?
歯と歯茎の間に汚れが溜まると口の中に元々存在している歯周病菌によって歯茎に炎症を起こします。
それが歯茎に限局した炎症を歯肉炎、骨や歯茎の周りの組織にまで炎症が広がってしまっているものを歯周炎と呼びます。
歯周病は歯肉炎と歯周炎の二つの段階に大きく分類されます。
歯肉炎はブラッシングで治るのか?
歯肉炎は汚れが溜まってることによって引き起こされるものなので、汚れをきちんと除去してきれいな状態を約10日間以上維持できれば歯肉炎は治ります。
逆に毎日ちゃんと掃除してるのに歯茎の腫れが引かない場合はきちんと磨けてない可能性が高いです。
そんな時は他の原因の可能性も含めて歯科医院で精査してもらうのが良いでしょう。
歯周炎はブラッシングで治るのか?
基本的には治りません。
もちろん普段の家での毎日のお手入れが意味がないわけではありませんが、歯茎だけでなく歯茎の下の組織にまで波及している炎症を食い止めるためには、専門的な治療が必要になります。
歯と歯茎の間には1―2ミリくらいの歯周ポケットという溝があり、歯周病が進行し、歯肉炎から歯周炎に移行するとどんどん歯周ポケットは深くなります。
正常な歯周ポケットの値は3ミリ以内と言われています。
歯ブラシでは深い歯周ポケットの中には毛先が届かない為、ポケットの中が汚れたままになるのです。
その為いくらお家で綺麗に磨けていたとしても、歯周ポケットの中は汚れたままなのでどんどん歯周病は進行していきます。
4ミリの場合の歯を喪失するリスクは2,5倍、5ミリでは7,7倍、6ミリでは11倍、7ミリ以上では64,2倍となります。
そうならないためにも歯科医院での専門的な治療が必要となります。
メンテナンスの間隔はどれくらいがいいの?
口の中の環境にもよりますが、歯周ポケットの値が正常で汚れもほとんど付着していない方の場合は半年に一回くらいで大丈夫です。
歯周病が軽度から中等度進行している方は3ヶ月に一度は必須になります。
中等度から重度の歯周病の方は毎月来て頂き、歯周病の状態が安定してきたら3ヶ月に一回が目安となります。
もし歯の磨き方や歯ブラシの選択等でお困りのことがあれば、赤羽の歯医者「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 赤羽診療所」にご相談ください。
赤羽歯科 赤羽診療所は、JR赤羽駅 徒歩6分 南北線志茂駅 徒歩7分
地域に密着した優しい診療を行っております。