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スポーツマウスガードの重要性について

2023.1.23

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こんにちは。
赤羽の歯医者「医療法人社団歯友会赤羽歯科 赤羽診療所」の歯科医師中山です。

日本スポーツ協会公認スポーツデンティストという資格をもっており、スポーツ選手のサポートやスポーツ愛好家へのアドバイス、子供の成長期の運動など、様々な活動を行っております。

 

 

今回は実際の症例写真を含め、スポーツマウスガードの重要性についてお話させて頂きます。

私は現在、某大学のアイスホッケー部の選手の方々のお世話をさせて頂いています。

選手の口腔管理やマウスガードの製作、あと特に試合中に起きたケガについてはLINEで受傷の状況や写真がトレーナーより直接送られてきます。その時点で、応急処置の指示と選手を受診させる日時を決めます。土日に試合があるので、月曜日に受診されることが多いです。

では早速ですが症例写真をお見せしたいと思います。
(※症例写真は血液や怪我の様子がそのまま写っておりますので苦手な方はご注意下さい。)

 

 

 

症例1

ゴール前でパスを待っていたところ、味方のシュートが飛んできて硬いパックが右頬に直撃しました。頬の裂傷の出血が多かったため、その場にいたチームドクターにより止血の為に縫合されています。この写真がLINEで送られてきたときはさすがにびっくりしましたが、冷静に写真を見ると上の前歯のずれがみられます。

骨折の疑いで次の日の朝一番に急患として来るよう伝えました。

 

次の日の朝、早速CT撮影を行いました。右頬のあたりに横に大きく骨折線が見られます。そのため上の前歯がずれており、当医院では処置を行う事が難しいと判断し、速やかに大学病院を紹介しました。マウスガードは装着していましたが、フルフェイスのマスクを着けていなかった為の不運なケガとなりました。

次はマウスガードを付けずに試合に出場した選手の症例です。

症例2

プロチームとの対戦でマウスガードの装着義務がなかったため、マウスガードをつけずに試合に出場したそうです。

パックを取る為にポジション争いをしている最中に、スティックを持つ部分が右の前歯にあたり歯が折れたとのことでした。非常に痛かったそうです。今後は絶対にマウスガードをつけて試合に出場すると心に誓っていました。

よく見ると歯は縦に割れ、割れた歯の中から出血が見られます。

ひとまずレントゲン撮影から開始しました。

予想通り縦の亀裂は神経にまで達し、その亀裂は骨にまで達しています。こうなると残念ながら抜歯するしかなくなります。ただ、この選手のこれからのスケジュール上すぐには抜歯が出来ないことが分かりました。

来院して2日後にはインカレで遠征に。2週間戻ってきません。そのあと冬休みで実家に帰り、東京に帰ってきてこの選手はユニバーシアードの選抜選手に選ばれているため、3週間のアメリカ遠征へ。その後、アジアリーグのプロチームに入団が決まっているため、休む間もなく引越しをしてチームに合流するとのこと。2月にはプロのアイスホッケー選手になるという忙しさ。いつ治療ができるか分からない状況でした。ちなみに治療方針はインプラント治療となり、22歳の選手にとっては高額なものとなりました。

まずそこで神経をとる処置から始めることにしました。

根の先まで神経を取る作業を行いました。その後先まで薬品を詰め、亀裂部分に接着性のある樹脂を流し込み歯をなるべく元の状態に戻しました。その後、両側の歯と接着剤を使ってしっかり固定し、歯がなくなった部分は歯と同じ色の樹脂で歯の形を整えました。(処置に時間を取られ写真を撮る余裕がなく、写真がなく申し訳ありません。)

歯の形が変わってしまったのでマウスガードの内面を削って、選手がぴったりフィットとOKするまで何度も調整しました。

 

以上が症例となります。

 

歯科医院製作のスポーツマウスガードの効果

マウスガードは歯の破折、亜脱臼、脱臼、口腔粘膜の損傷を予防し、大きな外力が加わった時の顎関節外傷の予防、骨折を防ぎます。また咬み合わせを安定させる目的で使用されることもあります。

マウスガードの使用は口腔内の外傷を予防するとともに、身体のバランスやパワーに影響すると言われています。

・上下の歯が適切に咬みあうことで頭部が固定され、重心が取りやすくなる。そのため、過剰な頭部、身体動揺が抑制される。

・安定した咬み合わせを与えることで、強い背筋力を発現させることができる。

・咬み合わせが不安定な選手にマウスガードを使い安定させることで、体の重心動揺は小さくなる。

などの報告がいくつもされています。

 

スポーツ専門店などに行くと、お湯で温めたり、自分でシリコンを練ったりして自分で口腔内に装着するタイプのものが市販されています。しかし、装着感が悪かったり、すぐに外れてしまう、咬み合わせが安定しないなど様々な問題が生じます。

その点、歯科医院で製作したカスタムメイドタイプはこれらの問題を克服します。特に市販品と比較すると、とてもしゃべりやすいです。そのため、声を出して指示をする競技にはとても向いています。

 

 

是非、一度カスタムメイドのスポーツマウスガードを使用してみてください。

また、チーム単位でのオーダーもうけつけております。

 

スポーツマウスガードや口腔外傷でお困りのことがあれば、赤羽の歯医者「医療法人社団歯友会 赤羽歯科 赤羽診療所」にご相談ください。

赤羽歯科 赤羽診療所は、JR赤羽駅 徒歩6分 南北線志茂駅 徒歩7分

地域に密着した優しい診療を行っております。

 

監修者情報

院長・歯科医師

中村

恭隆

平成10年4月 医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 赤羽診療所 勤務
平成28年6月 医療法人社団 歯友会 赤羽歯科 赤羽診療所 院長就任

赤羽近隣にお住いの方々に愛され、頼っていただける「地元の歯医者」を目指していきたいと思います。 患者さん一人一人の不安や悩みに寄り添い、丁寧なコミュニケーションを心がけていますので、お口のトラブルやお悩みごとがありましたら、遠慮なくご相談ください。